詠み人知らず 



秋風の 吹きただよはす 白雲は 織女の 
天つ領巾かも
                詠み人知らず 

(あきかぜの ふきただよわす しらくもは たなばた
 つめの あまつひれかも)

意味・・秋風が吹き漂(ただよ)わしているあの白い雲は、
    七夕の織姫の肩にまとっている薄く透けた領巾
    であろうか。

    古典研究家の清川妙は、なんでもないただの雲
    を、織女のスカーフに見立てて、ひととき心を
    慰める事が出来るのは、幸せな事ですね、と言
    ってこの歌を評価しています。

 注・・織女(たなばたつめ)=織姫。織女星。
    天つ領巾(ひれ)=「天つ」は天上界のものである
     事を示す。「領巾」は女性が首から肩に掛ける
     細長い薄布。

出典・・万葉集・2041。

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