僧正遍照

散りぬれば のちはあくたに なる花を 思ひしらずも
まどふてふかな
                   僧正遍照

(ちりぬれば のちはあくたに なるはなを おもい
 しらずも まどうちょうかな)

意味・・いくら美しいかろうが散ってしまえば汚いごみ
    になる花なのに、蝶はそれを少しも知らないで、
    美しさに惑わされてひらひら飛び戯れている。

    美しいものは全て一時的にすぎないという仏教
    的思想を詠んでいます。
    人も元気で働いている時は華だが、元気な時は
    短い。それを肝に銘じて精を出していきたいも
    のです。

 注・・あくた=芥。ごみ、かす。
    まどふ=惑ふ。飛びさまようの意と、心に迷い
     があるとの意を掛ける。     
    てふ=蝶。

作者・・僧正遍照=そうじょうへんじょう。816~890。
    僧正は僧の最高の位。六歌仙の一人。

出典・・古今和歌集・435

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