永福門院



ながれての 末をも何か 頼むべき 飛鳥の川の
あすしらぬよに     
                 永福門院

(ながれての すえをもなにか たのむべき あすかの
 かわの あすしらぬよに)

意味・・生きていく先のことなど、どうしてあてに
    できようか。渕瀬の変りやすい飛鳥川のよ
    うに、明日のことさえもわからない世の中
    なのに。

    明日の事は明日案じよ、明日は明日の風が
    吹くということです。

    参考歌です。
   「世の中は何か常なる飛鳥川昨日の渕ぞ今日
    は瀬になる」   (意味は下記参照)

 注・・ながれての=時がたってゆく。月日が流れる。
    頼む=あてにする、期待する。

作者・・永福門院=えいふくもんいん。1271~1342。
    藤原実兼(さねかね・太政大臣)の娘。伏見天
    皇の中宮。

出典・・永福門院百番歌合(岩波書店「中世和歌・鎌倉
    編」)

参考歌です。

世の中は なにか常なる 飛鳥川 昨日の渕ぞ
今日は瀬になる         
                詠み人しらず

(よのなかは なにかつねなる あすかがわ きのう
 のふちぞ けふはせになる)

意味・・この世の中は、いったい何が変わらないのか、
    不変のものは何一つない。飛鳥川の流れも昨
    日渕であった所が今日はもう浅瀬に変わって
    いる。

出典・・古今和歌集・933。

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